暗い物影

お店で車のオイル交換をお願いして、少し時間が掛かるってことだから、いったん家に帰りました。


だけど、「できました」っていう時間は、わたしが夕方にお願いをしたこともあって、薄暗くなって夜が近い時間。
車はお店に預けてあるので、当然歩いて取りに行きます。

慌てて家を出て、少し肌寒くなった近道を急いで歩いて行きました。

さっき家に帰るときに通った道とは別でひとけも無いので、明るく照らされていてもちょっとした物音が不安になります。


なんだか後ろから人が歩いているように感じるのだけど、ぜったい気のせいって分かってても振り向くのに勇気がいります。
暗い道でこういう気持ちになるのってなんなのか・・・
不思議です。


心細い気持ちのまま、でもお店や街の明かりはすぐ近いし、自分に「すぐ着くから大丈夫」って唱えながら早歩きをして行きます。


だけど冷たい風のせいか、なんだかちょっとトイレに行きたくなってしまって。。。
行きたいような、そうでもないような、、、

そんなふうに意識をし出すと、間違いなく行きたいんだなっていう感じになってきました。


飲み物だってたくさんは飲んでいないのに。
風が寒いから???

「お店までもうちょっとだから」と歩いて行くのだけど、暗くて距離感もいまいちで。

近いようにも見えるけど、歩いている時間が長く感じます。


「もうちょっと」って思っているわたしに、夜の暗がりとひとけの無さが悪魔の声のように聞こえてきました。

「その物影で・・・」

「いやいやそれは無いから」って思うのだけど、「気のせいだから」と言い聞かせて「すぐ近くだから」と思い込むようにしていた脳内よりも、体は間違いなくトイレしたいと言ってくるようでした。

もう大人としての分別や常識なんて、ひとけのない真っ暗な中ではどうでも良いとも思えてきます。


それよりもこのまま我慢し続けて、人通りの多いところに出てからピンチになったらどうしよう・・・とか。。。
お店で借りられるのか??とか。。。
コンビニがあるのは分かっているけど、駆け込むのも気が引けるとか。。。


いま思えば冷静さも無かったかもしれないと思います。


歩いている道路の横に、小さな物置のような建物がありました。

「街灯あるけど、この裏なら・・・」


悪魔の声とちょっとした好奇心と。
暗い中、道路から外れるのは怖いけれど、建物の裏に回ってみました。

街の明かりは見えています。


だけど道路からはわたしの姿は見えないはず。
こんなところに人がいるとも思われないと思うし。

できるだけ建物の影になるようにして、ズボンを下ろしました。

何度も書くけれど。
大人の分別や一般的な常識なんて、トイレしたいっていう気持ちに負けてしまっていました。

だから他人の敷地だし、そもそもこういう行動が良くないっていうことも分かっています。


だけど、そのまま我慢し続けることもできなかったです。

外でお尻を出して用をたすなんていうのは、小さな子供でもすることがないと思います。
「昭和か!」とか。。


暗い中、緊張感を持ちながらも安心と開放感がありました。


手持ちのもので後処理をして。
「ごめんなさい」っていう心の中で謝って。

さっとそこから離れました。

暗い中でお尻を出して度胸が付いたのか、さっきよりも夜道が安心で、後ろに人がいるような気がしていたのは堂々と振り返って確認できて。


暗いなりに楽しくなってきてました。

なんだか良いような悪いような・・・

いや。。。確実に悪いことをしている・・・と思う。

だけど。
旦那さんが帰ってくる前に、車のオイル交換をしておくという作戦は見事に成功しました。

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