ついものの弾みで、ナカムラさんと会う約束をしてしまって。
前から、約束のような、はぐらかすようなことばかりしていたのだけれど。
何度も何度も、SNSでメッセージのやり取りはあって。
それはもう、一年ぐらいは続いていました。
写真を撮る仕事をしていて、趣味を仕事にしたような感じで、カメラを構えることが好きなようでした。
仕事で撮る写真は、広告かなにかに使うような、化粧品とかシャンプーとか。
無機質な物が多くて。
趣味で撮るのは、花とか、景色とか、身の回りものとか。
でも、ひとは撮ったことがなくて、たまたまSNSで絡んだわたしに目を付けたようでした。
わたしも、キレイな景色を見るのは好きだし、それが写真に残せるなんて興味があったから、話が聞けるって、ちょっとワクワクしていました。
ただ、ナカムラさんは最初から「わたしの写真を撮りたい」って言っていて、その話に乗るかどうかで、いろいろと話しが聞けるかみたいなところが感じしました。
話題としては、それもおもしろいのかもしれないって、思ったこともあって、わたしの写真を撮ることも一緒に話しながら、カメラのこととか写真のこととか。
そんなメッセージを交換していました。
ただ、、、
メッセージを繰り返しているうちに、性格が合わないと感じるようになって、話題もそんなに興味が続くような感じでも無くて。。。
一度、どんなふうなのか興味が沸いて、ちょっとだけ会ってはみたけれど。。。
そんなのもしなくても良かったと思うくらいに、合わないなと思っていました。
でも一度は話しに乗ったのだし、ナカムラさんが楽しみにしながら、話題をどんどん振ってくるのは、ハッキリと言いづらくて。
ときどきだけど、興味が沸くようなことが無かったわけでもなくて。
「わたしに、その気はなくなった」っていうことを言わないままでした。
そのまま、話しだけがどんどん先に進んでいって。
はじめは、街角のスナップを撮るということだったのに、本当に撮ってみたいのはパジャマ姿っていう話になって。
パジャマを撮るのは屋外だから、だった着替えていろいろなパターンの写真で・・・
ドレスを着るとか、普段着を何着かとか・・・
そのうち、お風呂もあるし水着も着てみる?っていう話題があったり、着替えるのなら、水着も下着も変わらないのでは?っていうのがあったり。
お姫様抱っこをしてベッドまで運んでくれるとか、肩車をするとか、、、
写真の衣装が増えて、写真以外のことも増えていきました。
メッセージのやりとりで、そんな話しを繰り返して。
もう1年ぐらい。
わたしが、あまり合わないなと思いながら、ハッキリ言わないでメッセージだけ続いていて。
ナカムラさんは期待は続いたまま。
「いつ写真撮る?」
っていうようなことは何度も言われていました。
その度に、断りもしないで、はぐらかしていました。